【アニメ】美味しんぼ 1話「究極のメニュー」文字起こしAパート

「究極のメニュー[タイトルバック]」(栗田)

「うぁっあっ」(栗田)

「はぁ〜、これから毎朝この地獄と戦うのか〜よーし、ファイトッ」(栗田)

「新入社員教習を経て、今日から東西新聞文化部の記者なんです、私(わたし)[ナレーション]」(栗田)

「あ、そうそう、私(わたし)、栗田ゆう子22歳。もちろん独身!好みのタイプ、少年隊の東(ひがし)[ナレーション]」(栗田)

「とにかく新米の私は、早く職場に打ち解けられるよう、誰よりも早く出社して、まず部屋の整理をすることにしたんです。うんっ感心感心[ナレーション]」(栗田)

 

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「ん?[疑問]」(栗田)

「ん〜ぁ[呻き]」(士郎)

「はぁ[怯え]」(栗田)

「ふんぁ〜[呻き]」(士郎)

「うわあ〜![絶叫]」(栗田)

「ふぉぁん?うわああこっ[寝起き、痛み]」(士郎)

「はぁ〜[戸惑い]」(栗田)

「んいやぁ〜んぇ〜え〜もうこんな時間かぁ、寝足りないなぁ」(士郎)

「あのぉ〜文化部の方ですね、すみません、いらっしゃるの気がつかなかったものですから、すみません」(栗田)

「ふぅぁ〜ふあ〜[あくび]んぁ?[疑問]」(士郎)

「えっ[疑問]」(栗田)

「ふああ〜[あくび]」(士郎)

「んん、あっ、お酒くさいっ」(栗田)

「あぁ〜[呻き]」(士郎)

「昨夜お酒飲んで、うちに帰るの面倒になって、会社に泊まっちゃったのね[ナレーション]」(栗田)

「あ〜[呻き]」(士郎)

「あっ」(栗田)

「あーっ、あっあ、それ、雑巾ですけど」(栗田)

「んぁ〜あ?あ、わりわり、あとでちゃんとゆすいで乾かしとくから、ね」(士郎)

「い、いえ、あの、そういうことじゃなく、汚い顔が余計、あっ」(栗田)

「ふあ〜あ[あくび]」(士郎)

「はい、こちら文化部、あ〜はい、その件でしたらね、昨日ですね」(文化部員)

「ねぇ、これコピー10部、頼む」(文化部員)

「はいっ」(栗田)

「[ガヤ]」(文化部員)

「[ガヤ]」(文化部員)

「みんな、ちょっと聞いてくれ、先日伝えておいた当文化部の昼食会だが、本日、昼12時より、赤坂の料亭、白泉(はくせん)で開くことに決まった」(谷村)

「んお〜料亭で昼食会なんて」(文化部員)

「[ガヤ]」(文化部員)

「[ガヤ]」(文化部員)

「なんか面白い嗜好があるみたいだぜ」(文化部員)

「山岡ぁ〜ッ、お前、先ほどの部長の話を聞いとらんかったのかぁ〜」(富井)

「んぁ〜」(士郎)

「んぁ〜じゃないだろ、んぁ〜じゃ、もうみんな白泉(はくせん)へ出かけたぞ、お前も顔を洗って早く出かけんかぃん〜」(富井)

「富井副部長のカミナリが落ちるのも当たり前よぉ」(田畑)

「んぁ〜」(士郎)

山岡士郎、文化部の厄介者」(花村)

東西新聞一(いち)の変わり者」(田畑)

「栗田さん、行くわよっ」(花村)

「あ、はいっ」(栗田)

「みんなもすでに知っているとは思うが、今年我が社は、創立100周年を迎える。そこで大原社主自ら、これを記念する大(だい)企画を立案された。この企画を担当する者は、鋭敏な味覚の持ち主でなければならない。諸君に昼食会に集まってもらったのは、その担当者を選ぶためでもある」(谷村)

「あ〜はっはっ[吐息]、山岡くんッ、んん、遅いよ君、ん私があれほど注意したのに、き、君は一体ッ」(富井)

「富井くん、もういい」(谷村)

「あっ、は、はい」(富井)

「ほ〜んと呆れた人、大原社主の前でも平気で遅刻してくるなんて、一体なに考えてるのかしら、[ナレーション]」(栗田)

「では、諸君、君たちの前にある、お膳のおあし[?]を取りたまえ」(谷村)

「んぁ」(文化部員)

「なんだこれッ」(文化部員)

「豆腐と水だぜ」(文化部員)

「これでどうする気だぁ」(文化部員)

「3つのコップには、水道の水、この料亭の掘抜井戸の水、そして、丹沢(たんざわ)の山奥から汲んできた鉱泉水が入っている、さらに豆腐の方だが、一つはスーパーの豆腐、一つは上野の有名な豆腐料理屋の豆腐、3つ目は京都の一流豆腐料理屋の豆腐だ。つまり、この3種の水と3種の豆腐を味見分けをしてもらうのが今日のテストだ」(谷村)

「ちゃんと判断の理由もそばに添えてある紙に書くこと、じゃ、はじめて」(富井)

「豆腐と水に味なんかあるのか」(文化部員)

「ま〜さかこの歳になってテストを受けるなんてな」(文化部員)

「ねぇ、井戸水と鉱泉水ってどう違うのよ」(花村)

「さぁ」(田畑)

「上野と京都の違い、[ナレーション]ん?」(栗田)

「はぁ」(士郎)

「まぁ〜」(栗田)

「ふぁあん、ふぁん、ふぁん[豆腐を一口で食べる]」(士郎)

「まぁ〜いい加減、テストを当てこするように食べてる[ナレーション]」(栗田)

「わかんないっ、いいや、アミダで決めちゃえ」(花村)

「ふぅ、丹沢(たんざわ)の水ねぇ」(田畑)

「あの〜、花村さん」(栗田)

「ん[疑問]」(花村)

「Cの水はAのと比べると幾分しょっぱい気がするんですが」(栗田)

「えぇっ、あんたそんなことわかるの?」(花村)

「あっ、いえ、ただ、なんとなくそんな感じがして」(栗田)

「さぁ〜、できた人から答えをどんどん出して〜、社主がお待ちかねだ〜はいっ急いで急いで」(富井)

「ん〜ダメだ、これも、これもダメ。お〜っ、全問正解者がいた」(谷村)

「ほんとですか〜」(文化部員)

「誰です〜」(文化部員)

「栗田ゆう子くん」(谷村)

「[どよめき]」(一同)

「あっ、あたしがぁ〜」(栗田)

「そして、もう一人、山岡士郎」(谷村)

「[どよめき]」(一同)

「あ、あの、グータラ社員の山岡が?し、信じられん」(富井)

「栗田くん、急いだせいか、君のは判断の理由が書いてないが」(谷村)

「は、はいっ、Bの水はカルキ臭いので水道の水とすぐわかりました、Cの水はほんのすこし、塩が混じっているような気がしたんです、この辺りは昔、海の底でしたし、それで、この料亭の掘抜井戸ではないかと」(栗田)

「なお、山岡は、Aの水が鉱泉で、カルシウムの味がしたとまで言い切っている」(谷村)

「山岡がぁ〜」(文化部員)

「ふぅ〜ん」(文化部員)

「あいつがねぇ〜」(文化部員)

「山岡さん[ナレーション]」(栗田)

「栗田くん、豆腐はどういう理由で3つの味見分けをしたのかな」(社主)

「は、はい、あの、ただ漠然と、風味が違うような気がしただけなんです」(栗田)

「えぇ〜[どよめき]」(一同)

「すみません」(栗田)

「漠然とでも当たっちゃったんだから大したもんよ」(花村)

「ほんと」(田畑)

「ん[頷き]、しかし、山岡くん、君には、味を見分けたわけを聞きたいものだな」(社主)

「こらッ、山岡ッ、大原社主が君に聞かれておるんだ、返事をしろ、返事を」(富井)

「その紙に書いた通りですよ」(士郎)

「へ?[呆気]」(文化部員)

「ん?」(富井)

「ワインと豆腐に旅をさせるバカはいない」(谷村)

「はぁ?」(富井)

「3つの豆腐のうち、スーパーのは論外だ。他の2つは国産の大豆と良質の水を使い、本来味は甲乙つけがたい出来(でき)、ところが、豆腐は作ってすぐに食べなければ風味が落ちる。京都の豆腐が僅かながら風味が落ちたのは、上野と京都の距離の違いでしょう」(士郎)

「なるほど、で、ワインと豆腐には旅をさせるな、か、んふ」(社主)

「無神経そのものとしか思えないような人が、一体どういう人なの、山岡さんって[ナレーション]」(栗田)

「よろしい、今回の企画は、山岡くんと栗田くんに担当してもらうことに決定する」(社主)

「山岡と新米の女の子にかい」(文化部員)

「こりゃ驚きだな〜」(文化部員)

「大丈夫かなぁ」(文化部員)

「ぃやった〜、おめでとう栗田さん、頑張ってね」(花村)

「あ、は、はい、はぁ」(栗田)

 「人類の文化は食の文化であると言っても過言ではあるまい、え、例えば、ルイ王朝の残した晩餐会のメニュー、秀吉が聚楽第(じゅらくだい)で催した大宴会のメニューなどは、それぞれの文化の推移を具現し、その豪気(ごうき)さを物語るもの、えぇ〜現在日本(にっぽん)はあらゆる国の料理を輸入している、これほど多彩な食の文化を持つに至った国は日本(にっぽん)が唯一初めてである、そこで私は世界のあらゆる美味珍味の中から、選(よ)りすぐった後世に残す文化遺産としてのメニュー、究極のメニューを作ろうと思う」(社主)

「きゅ、究極のメニュー」(一同)

「究極のメニュー?それを私(わたし)が、あの、山岡さんと一緒に、はぁ〜はっ、や、山岡さん[ナレーション]」(栗田)